A.T/制作日々


by flaneur555

撮れなかった写真

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祐天寺のしばらく売れ残っている雑草空き宅地で犬の散歩中にみつけた、虫食いの葉っぱ。
みごとに葉脈だけ残してきれいに食べられていた。それでも薄緑色の残る美しい葉脈だけの葉っぱを枯れる前に摘んで帰る。花瓶に生けたが翌日には枯れてしまった。枯れる前に写真を撮るべきだった。

先週近所の大規模マンションで植栽の一斉刈り込みがあり、植木屋さんが多数押し掛けて剪定したり、草刈りしたりしていた。
このマンションの辺りは昔、東京ガスのガスタンクがあったそうで、だいぶ近年まで都心なのに森みたいな感じだったらしい。今でも建ぺい率の関係だろうか周辺部に大きな木々を林のように残している。
刈り取った草木を積み込む産廃車が普通の青いゴミ収集車と同じ形で、大量の草木を後部の回転口から飲み込んでいた。普通のゴミ収集車との唯一の違いが、コンテナのような鉄の箱の側面に小さな丸い小窓が付いていてガラス越しに積み込んだ草木が見える事。
珍しいなと思いフッと中を覗くと圧縮された草木の間に一匹の大きな薄緑色のイモ虫が、何事が起きたのかとモゾモゾあわてていた。倉俣史郎のミス・ブランチのようにアクリルに封入されたオブジェとなってガラスの向こう側で唯一、光さす小窓ににじり寄っている。
しばらく眺めていたら植木屋さんに「ドーした?」と声をかけられるも、僕もモゾモゾと「虫が、、、」と答えただけだった。
ヒョイとつまみ出してやりたかったが窓が開く訳もなく、写真を撮りたかったがカメラもなく、カメラを取りに家に戻る事もなく、予定どうり中目黒駅へと向かう。
撮らなかった、二つの薄緑色のはかない命は写真に残すべき美しい何かがあったと感じた。

雨天順延のみち草古本市は日曜日開催です。詳細は、http://kmstreet.exblog.jp/
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by flaneur555 | 2012-07-21 15:30 | 日々