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A.T/制作日々


by flaneur555

物には心がある。田中忠三郎

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よく行く古本屋に学芸大学の流浪堂がある。ここの集書のバランスの良さは主婦から古書マニア、そしてエロ本まで(ちゃんとレンタルビデオ屋のように仕切りがある)僕が行った事のある古本屋でNo'1だと思う。いつでも店内に流れているBGMがロマとかジプシーの民族音楽で店名どうり流浪していて本当にセンスが良い!そこで先日購入した[物には心がある](消え行く生活道具と作り手に魅せられた人生)田中忠三郎著 は感動しっぱなしのすごく面白い本です。ボロや民具のコレクターである田中忠三郎さんは、私欲ではなく大切にすべき物を集める!庶民の弱くて小さくて、些細な消えいく運命にあるはかない物をたった一人で生涯をかけて集める。どんなに貧乏しても貫きとうした生き様はどこまでも強く、眼差しは限りなく深く澄んで優しい!僕は常々、良いものを集める事(見る目)と良いものを作り出す事(創る手)はまったく違う事だと思っているけれど、この本を読んだら吹き飛んでしまった!浅草のアミューズ・ミュージアムで田中忠三郎コレクションが見られるらしい。ロマやジプシーを愛する流浪堂で買えた事がピッタリくる本です。
この本の中でおもしろかった話をひとつ、縄文から脈々と続く東北から北海道そしてアイヌへと、原日本の豊かさと貧しさは驚くべきもので、東北地方では農閑期、現金収入のない若い娘がよりあい自分で作った食物やお酒をふるまい、今のキャバクラのような事をしていて、ここでもやっぱりきまえの悪い男はモテなかったらしい。未婚の18、19、20、〜と年齢ごとにグループが分かれていて、男達はハシゴしたりしていたという。行ってみたかった!
by flaneur555 | 2010-04-08 18:34 | 古本