A.T/制作日々


by flaneur555

岡本太郎とバナナ

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『青山時代の岡本太郎1950-1970』川崎岡本太郎美術館の図録を買った。
これと対になる世田谷美術館の図録は昨日の勅使河原蒼風図録と同じ装幀、同じ2冊組、かなり良く出来た図録だと思うが、片方しか持っていないので探さなくては!
しばらく砧公園には行ってないけれど、他の展示の図録も良さそうで世田谷美術館が気になる!
『青山時代の岡本太郎1950-1970』は絵画にとどまらず、インテリアデザイン、写真、建築、彫刻と剥き出しで世界と対峙する芸術人間の冒険映画を見ているようで楽しい。抜き身の刀なのに優しい!太陽の塔はもちろんすごいけれど、この本の中のマミ会館の建築デザインがかわいらしくてすばらしい!コルビュジェのロンシャンやシュタイナーのゲーテアヌム、ガウディーのサグラダファミリアや、シュバルの理想宮への岡本太郎さんの答えだと思う。

20代のころ青山の骨董道りにあったナイトクラブBLUEで毎週のようにVJをしていた。深夜の休憩にBLUEのすぐ裏にポツンと取り残される様にあった岡本太郎邸のブロック塀越しに庭を眺めながら缶コーヒーを飲んで、すぐに戻らなければならないダンスフロアーの余韻の耳鳴りを都会の夜の静けさで洗っている時、ブロック塀から突き出る巨大なバナナの木が大きな葉を生き物のように揺らしていた。このバナナの木もまた岡本太郎さんの造形物のように見えて、変わり続けて行く街並をそこだけそっと押し戻していた。今はもう美術館になってしまったけれど、改装などせずにあの時のままジャングルのような庭と自邸をそのままに見られたら良かったのにと少しだけ残念。マミ会館も今は無いんだろうなーと思う。
はかなく図録の中にだけ残っていく。
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by flaneur555 | 2010-03-10 03:28 | 古本